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関手の微積分


 関数の微積分に対し、関手も微積分ような操作ができることに気づいたのはGoodwillieである。彼にちなんでGoodwillie's calculusと呼ばれているが、これは彼の論文の3編で書かれている。【Goo90】【Goo92】【Goo03】。もちろん関数の微積分とは多くの部分で異なるのだが、一番はTaylor展開の類似としてTayor towerというfibration towerが構成できるところにある。【Mun10】ではmanifold calculusという手法も考えられている。
 一般的にどのようなfunctorに対して微積分ができるかという疑問がある。関数で言うなら微積分の可能性である。この場合には連続とかが関わってくるわけで、圏論的にはmodel category間のweak equivalenceを保つ関手というのがそれに対応する。Goodwilleが始めに研究していたのは、位相空間の圏の間(あるいはSpectrum)のweak equivalenceを保つ関手であった。
 Goodwillieが注目したのはホモトピー論で言うところのホモトピー切除定理である。これはpush outの図式で空間の連結性がどのように変わるかが焦点になるが、これを一般のn-cubicalの図式で考え一般化している。Rezkは【Goo03】のn-exisive approximationのlemmaのshort proofを【Rez08】で与えている。
 日本語で関手の微積分について詳しく書かれているのが、「関手の微積分」のホームページである。まずはここを見るとよい。

 Weissは定義域をtopological vector fieldのcatgeoryで考え、orthogonal groupの分類空間を対応させる関手などを考え、orthogonal calculusというものを考えた【Wei95】。Goodwillie's towerを用いてhomotopy nilpotent groupなどを考えているのは【BD07】である。Rational homotopyとの関連でDGLやDGCなどの間のhomotopy functorを考えているのは【Wal06】、多様体のembeddingの空間のrational homologyのcalculusを考えているのは【BCR06】である。
 Model structureを用いて考えているのは【ALV06】で、特に【Sta12】ではGrothendieck constructionを用いてGoodwillie's towerを表している。【Per13】でもモデル圏の文脈を用いて、Goodwillie towerとn-exicive theoremを説明している。
LurieはGoodwille's calculusと(∞,2)-categoryとの関係を考えている【Lur09】